2003年09月29日
エチレン90万トンセンターを早期実現、天津市
米ダウ・ケミカルなどに参加呼びかけ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:BASF

 中国・天津市は2010年までの同市発展計画を策定、日本、韓国などからの企業誘致にのりだしたが、引き続き米国の産業、金融などへの協力を要請、とりわけ同市浜海新区での石油・石油化学開発計画の早期実現をはかることになった。
 
 中国は自動車、情報通信、建設などの発展によって、鋼材、セメントなどの資材の需要が活発化、最近では石油化学製品の需要も拡大している。
 
 石油化学産業は石油からのナフサ、天然ガスを分解するエチレンセンターが中核となるが、中国では、目下、第2次大型化計画が続出して、激しい競争を展開している。
 
 主なエチレンセンター計画としては英BP-アモコグループによる上海の年産90万トン、独BASFグループによる南京の120万トン、英蘭シェルグループによる恵州(広東省)の80万トン、米エッソモービルグループによる泉州(福建省)の60万トンなどがあり06〜08年の完成を目ざしている。08〜10年には倍増の1,000万tをこえると予想されている。
 
 こうしたことから天津市も計画の早期達成をはかることになったもので、載相龍市長は先週、米国を訪問、ダウケミカルなどに投資協力を要請したといわれる。同市の浜海新区での石化計画は塘沽地区にエチレン年産90万トン規模のセンターを26億ドル投じて建設する予定。合弁、単独などの投資方式で今年中にも入札を行う方針。
 
 天津市石油化工化繊企画事務室によると塩ビ年産108万トン、無水マレイン酸7万トン、1.4ブタンジオール21万トン、PBT 10万トン、ブタノール20万トン、アクリル酸・アクリル酸エステル10万トン、カプロラクタム10万トン、アジピン酸4万トン、ポリカーボネイト6万トン、テトラハイドロフラン5万トン、ポリテトラヒドロフラン5万トンなどが計画されている。浜海新区には大港油田の開発も予定されており、原料は自給する方針だ。
 
 問い合わせは中国、TEL/86-22-23142232、FAX/86-22-23122053
 
●参考記事
http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.cgi?CODE=11966