2003年10月03日
三井化学のPPの大型新プラントが完成
来週にも水運転を開始、来年1月から本稼動
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学が大阪工場内で進めていたPP(ポリプロピレン)の新プラントの建設工事がこほど完工した。同社では来週明けにも水運転を開始、次いでプロピレンを投入しての試運転に移行し、入念なチェックを経て来年1月早々から本格操業に踏み切る予定。
 
 今回完成したプラントは同社独自の気相法プロセスによるもので、生産能力は年30万t。1系列単位では世界最大の規模となる。この結果、同社のPPの総設備能力は大阪、千葉、宇部の3工場を合わせて同75万tとなった。もっとも同社ではこれに先駆けて今年7月に堺工場の同12万t設備を休止、さらに来年3月には大阪の同10万tプラントも止めることにしている。いずれも順次スクラップしていく。
 
 同社は、新プラントでは主として汎用品種を生産していく考え。工業化品種は、パウダーベースで5種類、ポリマーベースでホモポリマーとブロックコポリマーを合わせて10種類ていどに抑えていきたい意向。もともと生産効率の高い設計となっているのが今回の新プラントの強みの一つだが、工業化グレードの数をできるだけ絞ることでさらにコスト競争力に富むプラントとしての持ち味をフルに活用していく方針。
 一方、同社が得意とする多数の差別化品種については、既存のプラントで重点的かつ高効率に生産していくことになりそう。
 原料プロピレンに関しては、04年8月に生産能力を同14万t増強して同42万tに拡大することにしている。これによって三井化学大阪工場は、わが国ではめずらしいプロピレンセンターに姿を変えることになる。