2003年10月07日 |
井出ソニー会長「日本のITが世界をリード」と強調 |
05年と10年に大きな変化を予測 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:ソニー |
ソニーの取締役代表執行役で会長兼グループCEOの井出伸之・IT戦略会議議長は7日、e-Japan戦略「日本がネットワーク社会をリードする」と題して特別講演を行った。これは幕張メッセで開幕した「シーテック ジャパン2003」でのキーノートスピーチ。 同氏は「10年ほど前にはじまった世界のIT(情報技術)の利用はインターネットで始まったが、スピードがおそかった。しかし、いまやインフラの通信基盤がそろい、共通サービス基盤も整いつつあり、2005年と2010年の二段階を経て大きく発展するだろう」と強調、大要以下のように語った。 1. 日本のITは「遅くて、高価」の時期から「速くて、安い」時期に入った。98年に香港、99年に韓国がITを手がけたが、日本は森喜朗前総理が2000年11月にIT戦略本部を設置、基本法をつくってから動きだした。米国ではマイクロソフト社が一度は撤退しようとしたが、Uターンして、ITを独占した。 1. 日本では前の通産省がコンピューターを支援する一方で、タテ型の官庁、民間社会をヨコ型にする方向で指導した。超高速のネットワークインフラ構築に取り組み、電子商取引、電子政府、人材育成を進めた。水平分業型のパソコン産業ができて社会の仕組みが大きく変った。 1.従来は1社で一貫した生産体制をとっていたものが、さまざまなモジュールの規格化によって、目的によって買い集めることができるようになった。最近ではコンピューターのデル社の例をみると在庫は5時間分ですむといい、TVも2〜3週間で製品化できるという。サプライチェンのマネジメントが確立されたのである。ITの出現で銀行など金融業界は競争力を失った。新しいビジネスモデルが必要な時代になった。 1.ヨコ型社会の構築によって、医療、食、生活、中小企業金融、知、就業・労働、行政サービスなどに新しいビジネスが動き出した。日本人はマジメでキメが細かい。技術には幅と深みがある。ユビキタス(どこでも、だれでも、いつでも)社会がつくられるまでには、まだ間があるだろうが、ITの活用では国際競争に勝つと思う。これからIT戦略第二段階の成果はブロードバンドなどで早くでるだろう。 1.ビジネスモデルでいうと日本は大きなコンピューターで力を合わせ、規格問題ものりこえられよう。日本人は共存共栄ができる。個人の視点、国の競争力をいかに力強く、組み合わせるかが課題だ。 |