2001年11月28日 |
三菱化学メディカル、新手法による遺伝子検査試薬を発売 |
簡便かつ高感度に性感染症の起因菌の遺伝子を検出 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:三菱化学、厚生労働省 |
三菱化学の全額出資会社の一つである三菱化学メディカルは28日、性感染症の代表的な起因菌であるクラミジアと淋菌の遺伝子を検出する遺伝子検査試薬を12月中旬に発売すると発表した。来年度の売上目標は3億円。国内では、他の製品同様にダイアヤトロン社が総代理店となって販売していく。 この試薬は、子宮頸部の擦過細胞または尿を用いて簡便かつ高感度にクラミジアまたは淋菌の遺伝子を検出することが可能というもの。さる9月12日付けで厚生労働省の承認を受け、保険適用対象の一つになっている。 クラミジアと淋菌はともに若年層を中心に感染が大きく広がる傾向にある。ただし、早期の正しい診断と適切な治療が行なわれれば化学療法によっていずれも容易に治癒できるとされている。 今回三菱化学メディカルが承認を受けた試薬(診断薬)は、米・ダイジーン社から導入されたもので、同社にとってはこれが初めての遺伝子診断薬の発売となる。新開発の遺伝子検出法であるハイブリッドキャプチャー法と呼ばれる測定原理を利用するので、従来のPCR法と異なり遺伝子を増幅することなく高い感度で検出できるという。また、高価な機器を必要とせず操作方法も簡単なため、検査センターだけでなく診療所も含めた中小の病院でも使用できるとしている。 三菱化学メディカルでは、これに加えて、子宮頸癌の原因ウイルスであるヒト・パピローマウイルス(HPV)の遺伝子診断薬についても厚生労働省に承認を申請中。これが承認されると、3種類の感染症が1本の検体で測定できることになる。今後同社は、感染症分野全体を広くカバーしていく計画。 |