2003年10月09日
湖南石化の事故、エチレン装置は操業を継続
ただし、稼働率は60%台に低迷
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三井物産

 韓国の総合石油化学企業の湖南石油化学(HPC)はさる3日に高密度ポリエチレン(HDPE)プラントの爆発・炎上事故を起こし、このため関連装置もいくつかが運休したままとなっているが、三井物産など大手商社によると、中核のエチレンプラントは類焼を免れて引き続き操業中という。

 今回爆発・炎上したのは、麗川工業団地内にある同社石化コンビナート内の合計3基のHDPEプラントのうちの第3号機。設備能力は年産15万t。この事故のため、同樹脂の第1号機と第2号機(合計年産21万t能力)ならびに隣接するポリプロピレン(PP)プラント(同40万t)、さらにはEOG装置(同32万t)なども一時的な運休を余儀なくされている。

 しかし、年産70万t能力のエチレンプラントは、HDPE装置との距離が開いているため地元行政当局から操業の継続を認められて稼動を維持しているという。とはいえ、自らの誘導品プラントが止まっているので稼働率は極端な低率にとどまっている模様。余剰のオレフィンを海外に緊急輸出してかろうじて操業を維持しているが、現在の稼動率はせいぜい60%と見られている。

 事故を起こしたHDPEの第3号機以外のプラントは、比較的早い時期に再稼動が認められる見通し。このため、エチレンプラントの稼働率は遠からず上昇していくと予想されている。しかし、HDPE第3号機は復旧が無理のようなので、当分の間、自家消化エチレン量年間15万t減ることになる。