2003年10月14日
SMの9月の出荷は前年同月の7%増に
7〜9月期合計は前年同期の1%増
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が14日に集計したところによると、SM(スチレンモノマー)の9月の生産量は前年同月を5%上回り、一方の出荷量は同7%増となった。これに伴う月末在庫は31%増となっている。在庫の増加が目を引くが、これは前年同月の在庫数量が約6万tと極端に小さい規模であったことによるもの。在庫率は0.3ヶ月分で、通常のレベルといえる。

 一方の出荷の7%増は、国内向けが5%減となった反面、輸出が37%もの伸びを遂げたことによるもの。国内向けの縮小の要因は、同モノマーの消費全体の半分近くを占めるPS(ポリスチレン)の生産量が定修や設備削減等で前年を19%下回ったことにあると見られている。

 輸出が大幅増となったのは、前年同月に在庫不足のため輸出を極端に絞った各社が今年9月は中国を中心としたアジア地域の旺盛な需要に対応したためと見られる。

 この結果、7〜9月期の実績は生産量も出荷量もともに前年同期の1%増となった。出荷のうちの国内向けは9%減と不振であったが、輸出が中国向けを中心に23%増となって国内向けの減少をカバーした。国内向けの減少は、主力のPS向けの縮小によるもの。合成ゴム向けやABS・AS向けはおおむね順調であった。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/031014smps9.tif