2003年10月15日
新日鐵化学、有機ELの正孔輸送材料の耐熱性を大幅向上
150度C以上、自動車用中心に拡販
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:新日鐵化学

 新日鐵化学は有機ELディスプレイに使う正孔輸送材料について、耐熱性が150度Cを超えるものを開発した。自動車のテールランプや室内ランプ用を中心に市場開拓を行う方針である。
 
 同社はことしの春に既存の材料と同等の電気的性能を維持しながら、従来の80〜90度Cの耐熱性を40度Cも上回る材料の開発に成功したことを明らかにしたが、今回はこれを20度C前後、改善したわけで、これにより現在の売り上げ規模、年約5億円から30億〜40億円を目標に拡販したい意向を示している。
 
 同社は02年1月に有機EL事業推進室を発足させた。ことしに入って有機EL室に改称している。すでに北九州市の総合研究所内に有機EL材料の量産体制を確立、ユーザーの開拓をはかっている。
 
 有機EL材料の耐熱性の改良によって、ガラス転移温度が向上し、成膜性にも優れた結果がでているとしている。これまでは耐熱性が高くなると材料の成膜性が悪くなるという欠点があった。耐熱性の向上は材料素子の分子構造を改良したことによる。