2003年10月15日 |
スチレン工業会、PSの中期需要展望まとむ |
内需は3年ともゼロ成長、輸出は大幅に縮小 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:日本スチレン工業会 |
日本スチレン工業会は14日、PS(ポリスチレン)の中期需要展望を明らかにした。それによると、国内総需要量(輸入を含む)は今年から05年までの3年間横ばい状態が続き、また輸出は毎年減少が避けられず、その結果国産品の総需要量は03年が前年比7%減、04年が同2%減、05年が同1%減--と3年連続して縮小するという厳しい結論になっている。ただし、同樹脂業界の総設備能力は96年をピークにアライアンス等によって今年までに年々削減が図られ、現在は96年の67%どころまで縮小している。したがって、向こう3年の業界平均の稼動率は経済単位を十分維持していける見通しにある。 今回同工業会がまとめた03〜05年の需要見通しのうち、国内総需要予想量は、今年が93万t、04年が92万7,000t、05年が92万5,000tとなっている。02年の実績は93万4,000tで前年を1%上回ったが、今年以降は各年ともゼロ成長が避けられないと判断しているわけ。 うち輸入は各年とも3万tで推移すると見られている。したがって、輸入品を除く国産品の各年の内需量は03年が90万t、04年が89万7,000t、05年が89万5,000tとなる。03年は前年の1%減、04年と05年はともに前年の横並びということになる。 03年の内需予想が1%減となっているのは、最大消費分野の包装用こそ前年を1%上回るものの、電機・工業用、雑貨・産業用、FS用の3分野がそれぞれ2%、1%、3%のマイナス成長になると判断されているため。04年と05年はFS用が微増、包装用が横並び、雑貨・産業用と電機・工業用が微減の予想となっている。 一方輸出の予想は、さらに厳しいものとなっている。03年が前年比46%減の7万5,000t、04年が同20%減の6万t、05年が同17%減の5万tと予想されている。02年は9%増であったが、今年は一気に半減となり、その後も縮小が続くとの見方である。 同工業会が輸出の大幅な縮小が避けられないと判断している点について同工業会では、「輸出余力のある台湾と韓国がアジアで唯一大幅な需要の伸びを続けると見られている中国向けに引き続き精力的に輸出を拡大していくのに対して、固定費の削減を目的に大幅な設備処理を実施してきたわが国のPS業界は採算割れとなる輸出を思い切って見送ることが不可避となっているから」(仲田義幸・輸出委員長)と説明している。 この結果、国産品の各年の内需と輸出を合わせた総出荷量は、03年が100万tの大台を割り込んで前年比7%減の97万5,000tに縮小、04年はさらに2%減の95万7,000tに、そして04年は1%減の94万5,000tへと減少が続くとの予想になっている。しかしこれに対する設備能力は、すでに年産104万4,000tに縮小しており、需給はバランスを維持していける見通しにある。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/031015ps.tif |