2003年10月17日
PPの射出成形用の需要が再び拡大傾向
コンテナー向けが急回復、工業部品も前年超え
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 PP(ポリプロピレン)の主力品種の射出成形用グレードの需要が再び拡大傾向をたどり始めた。
 同品種の9月の出荷数量は13万100tで、前年同月を5.1%上回った。4月から6月までは各月とも前年同月を下回り関係者の間に不安感が広がっていたが、7月に前年同月超えに転じてからは3ヶ月連続の前年同月超えとなっている。7月は12万6,600tで前年同月の4.1%増、8月は10万7,000tで同3.1%増であった。4〜6月の累計は34万8,200tで前年同期を3.6%下回ったが、7〜9月期は36万3,700tで逆に前年同期を4.1%上回っている。
 
 回復の最大の要因は、6月まで12ヶ月連続して前年同月を下回ってきたコンテナー向け品種の需要が急拡大してきたことにある。同グレードの7月の出荷は1万2,900tで45%増、8月は1万2,500トンで78%増、そして9月は1万3,900tで47.4%増となっている。汎用樹脂の主要品種の中では異例の高成長率だ。
 
 また、8月に前年同月割れとなった一般工業部品用グレードも9月は再び前年超えに戻った。6万5,000tで、前年同月を2.7%上回っている。自動車部品向けの需要が回復したことによるもの。ただし7〜9月期トータルは18万1,200tで、0.9%増にとどまっている。
 他の品種の9月の出荷では、シート向けが1万7,200tで4.7%増の高レベルとなっている点が注目される。7〜9月期計は4万8,800tで前年同期を5.1%上回っている。