2003年10月17日
帝人化成が中国初のPC工場の建設に着手
第1期年産5万t設備を来年末に完成
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:帝人、帝人化成

 帝人化成は15日、中国浙江省嘉興市郊外の経済開発区内でポリカーボネート(PC)工場の建設起工式を挙行して工事に着手した。
 
 同社が建設するのは、第1期と第2期を合わせて年産10万tの基礎設計能力を持つPC工場。先ずは第1期の同5万t能力のプラント建設に着手、04年12月に完工の予定。中国では初めてのPCプラントとなる。
 試運転を経て05年4月から本格生産に入る計画。建設所要資金は140億円となる見込み。直接の投資と同樹脂の製造・販売は、帝人化成が50億円全額出資によって今年3月に現地に設立した「帝人聚●(石へんに炭)酸●(酉へんに旨)有限公司(Teijin Polycarbonate China)が担当する。
 
 第1期工事が完了すると、帝人化成のPCの設備能力は、松山工場の年産12万t、帝人ポリカーボネートシンガポールの同18万tを合わせて同35万tとなる。同社では、これに加えてできるだけ早時期に第2期の同5万tプラントの建設に入りたい意向。名実ともにアジアナンバーワンを目指す。
 
 中国ではPCの需要が急拡大している。必要量の全量が輸入でまかなわれていて、02年の総輸入量は前年の56.2%増の41万5,399tに達した。今年も順調に伸びており、1月から8月までの累計は32万9,097tとなっている。前年同期を28.5%上回っている。
 帝人化成は、今後も中国の需要が電子・電機関連を中心に引き続き大きく拡大していくのが確実と判断して現地生産に踏み切ることにしたもの。
 
 同社では、これに先駆けて中国に同じく全額出資の「帝人化成複合塑料」を設立して上海地区でPCとABSのコンパウンド工場を稼動中である。設備能力は同1万8,000tで、今年9月2日に竣工して最近本稼動に入ったところ。新設のPC工場は、このコンパウンド会社に対する供給責任も果たしていくことになる。