2003年10月21日
「マイクロ化学」新研究所、京大桂キャンパスに完成
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三菱化学、NEDO

 経産省は21日、マイクロ化学プロセス技術研究組合(理事長、今成真三菱化学常務執行役員)が、京都大学工学部桂キャンパス(京都市西京区)内に新たに「京都集中研究所」を完成したため、22日午後2時から開所式を行うと発表した。
 
 同研究組合は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から受託した「マイクロ分析・生産システムプロジェクト」を推進するため2002年7月、参加27社(現在29社)で発足。経産省でも同研究を、わが国経済の活性化につながる研究開発プロジェクト(フォーカス21)と位置づけ積極的に支援してきた。事業規模は2002度9億4700万円、03年度12億1200万円。
 
 研究施設は当初、京都大学吉田キャンパスにあったが、大学の移転に伴い桂キャンパスに集中研究所を新設し、研究施設等を移設した。スペースは2倍の広さになった。同研究組合は、ほかにもマイクロチップの専用研究所を神奈川サイエンスパーク(川崎市)にもっており、今後はプラントシステムとチップの両面から、次世代技術として期待されているマイクロ研究に本格挑戦することになる。
 
 NEDOから委託された研究テーマは次の通り。
(1)マイクロ化学プラントの研究:マイクロリアクター、ミキサー等各種のマイクロデバイスについて、化学工学的な観点から新規機器を開発し、マイクロ化学プラントをシステムとして実用化する。

(2)マイクロチップ技術の研究:極微小量で高速、高効率な各種の生化学分析等をシステムとして実用化するため、チップ内微小空間で生じる現象・化学反応を解明する。混合、反応、抽出等の機能をチップ基盤上に集積化するための要素技術開発とシステムの設計、手法を開発する。

(3)マイクロ化学プロセス技術の体系化研究:上記の2つの研究成果と連携しながら、マイクロ化学プロセスの基盤技術体系を構築する。マイクロ空間における流体解析や加工、処理手法等に関する研究成果を知識体系として一般化する。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/031021keisansyo.tif