2003年10月24日 |
出光興産、新開発の有機EL発光材料、5年後50億円売上げ見込む |
緑色で5倍、青色で2倍、三原色をそろえる |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:TDK、出光興産、ソニー、東北パイオニア、パイオニア |
出光興産は有機EL(エレクトロルミネッセンス)の発光材料として、初期輝度からの半減寿命が緑色で7万時間以上(従来比5倍以上)、青色で2万時間以上(同2倍以上)の開発に成功、 来年春からサンプル出荷を始めることになった。 いずれも初期輝度500cb/〓(カンデラ、1平方メートル)に対応するもので、青色材料はさらに長寿命化をはかるとしているが、5万時間以上をクリアすれば大型ディスプレイ用の実用化も進められるとしている。 開発した両発光材料は10月29日から31日までパシフィコ横浜で開かれる「FPDインターナショナル2003」に出展する。 出光興産は1985年から有機EL材料の研究開発に取り組み、現在は携帯電話、カーオーディオ、カーナビ、5〜10インチの小型テレビなどのディスプレイ用などに供給している。 すでに2002年には低電圧赤色材料を開発しており、今回の緑、青色の実用化の見通しをえたことで、赤、緑、青色の三原色を使ったフルカラー有機ELディスプレイの製品化が進む。青色材料では新たな分子構造を見出したとしている。 同社の発光材料は低分子系ですでに東北パイオニア、三洋コダック、サムスンモバイル(韓国)などに供給しており、今後はTDK、ソニーなどにも供給することになりそうだが、大型ディスプレイ用の発光材料も青色材料の長寿命化によっては早期に実現するものとみられる。同社では5年後に02年の5倍に当たる50億円の売り上げを見込んでいる。 |