2003年10月27日
PVCの対中国輸出価格、9月は660ドルに
信越化学や大洋塩ビの希望が通る
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:信越化学工業、大洋塩ビ

 信越化学工業や大洋塩ビなどが中国の塩ビ加工企業筋との間で進めていたPVCの11月の輸出価格交渉がこのほど決着した。トン当たりCFR660ドルとすることでユーザー各社の同意が得られた模様。契約の対象は、これまで同様にほとんどが輸出に振り向けられる加工製品用。

 10月の価格に比べると11月分は同10ドルのアップとなる。日本側各社が大幅値上げは無理と判断して提示したオファー価格がそのまま受け入れられたようだ。中国の需要家の多くは、VCMの10月の輸入価格が前月に比べて同10ドル上がった点を念頭に置いて、PVCの11月の価格も10ドルていど引き上げられるとあらかじめ予想していた節がある。

 中国のPVCの需要は、軟質加工製品の輸出の拡大を支えに引き続き順調に伸びており、したがって海外からのレジンの輸入も依然として着実な伸張を続けている。ただし、加工企業のほとんどが加工製品の輸出価格を引き上げる意思を持っていないので、日本や台湾、韓国などの対中輸出国が仮にレジンの大幅な値上げを強行しようとしても受け入れられる可能性はほとんどないと見られている。