2003年10月28日
三井化学、PTAの中国向け輸出価格を引き上げへ
11月分をトン20ドル上げてCFR650ドルに
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は27日、中国のPTAの需要家各社に対してPTAの11月の輸出価格をトン当たり10月比20ドル引き上げる旨を表明した。CFR同650ドルとする考え。
 
 今回の値上げは、原料PX(パラキシレン)の価格高騰に対応するためのもの。PXの10月の価格は同620ドルだが、PXメーカーの多くは11月分を同50ドル引き上げる考え。三井化学は上げ幅を縮小するよう強く求めているが、PXメーカーの譲歩を引き出すのは容易でないと見られている。その場合、PTAのコストは同35ドル内外上昇することになる。したがって本来なら輸出価格も35ドルの底上げが必要となる。それにもかかわらず同社が今回の上げ幅を20ドルに抑えることにしたのは、中国のポリエステル繊維の市況が依然として低水準に張り付いていてPTAの値上げを強行しようとしても受け入れられる可能性がないと判断したため。
 最近のPTAの中国向け輸出価格は、8月と9月がいずれも同630ドルという低水準にとどまり、10月分も同じレベルに据え置きとなる公算が濃厚。当初三井化学では採算確保のため同670ドルレベルへの底上げを打ち出していたが、中国のユーザー各社の強い抵抗とPXの国際市況の軟化によって実現を阻まれたまま現在にいたっている。
 そうしたなかでPXの値上げが必至の情勢となってきただけに、11月の輸出価格の是正はどうしても実現せざるを得ないとしている。