2003年10月28日
サウジのナフサのプレミアムもさらに拡大
来年1〜6月分はA-180がトン9.50ドルに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 サウジアラビアから来年上期(1〜6月)に日本など極東各国に供給されるナフサのプレミアム価格が今年下期(7〜12月)分をさらに上回る額に引き上げられることが決まった。サウジアラムコと日本、韓国、台湾の3カ国の石油化学企業や商社などがロンドンで進めてきた交渉によってこのほど決定したもの。
 
 それによると、プラッツオイルグラムのC&F/ジャパンの中値からフレートを引いた価格に上乗せされる新たなプレミアムは、軽質NGL(A-180)がトン当たり9.50ドル、ラビ積みのフルレンジナフサが同8.50ドル、ジュベール積みフルレンジナフサが同7.25ドル--となった。今年下期に比べると、A-180が同2.50ドル、ラビのフルレンジナフサが同3.00ドル、ジュベールのフルレンジナフサが同2.75ドル高くなる。今年下期分に続いての値上げである。日本の石化企業は据え置きを強く求めたが、韓国と台湾の石化メーカーが数量の確保を優先してアラムコの主張を受け入れた模様。
 
 これに先立って進められたクウェートやカタールとの交渉でも、極東向けのプレミアムの増額が決定している。クウェートのフルレンジナフサの今年12月〜来年11月分は今年8月〜来年7月分の1.25ドル高の8.50ドルに、またカタールの来年1〜12月分は前年分の2.80ドル高の13.30ドルに引き上げられている。これに加えてサウジのプレミアムも増額が決まったわけで、わが国の石油化学業界は来年も他の地域以上に割高なナフサに苦戦を強いられることになりそう。