2003年10月30日
三菱樹脂、耐食・導電性に優れたプラスチックフィルム開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱樹脂

 三菱樹脂は30日、優れた導電性と水蒸気バリア性を併せもつ、薄膜で柔軟な耐食性導電プラスチックフィルムを開発したと発表した。来年度から蓄電デバイス向けを中心に供給開始する予定。

 開発したフィルムは、熱可塑性樹脂に導電成分であるカーボン材を混入・分散させ、フィルムにしたもので、100ミクロン以下の薄さを達成するとともに、熱可塑性樹脂本来の水蒸気バリア性を低下させずに、優れた耐食性(耐酸性、耐アルカリ性)と導電性(体積固有抵抗値100Ω・〓)をもっているのが特徴。
 
 ふつう導電性フィルムには、原料の樹脂やゴムにカーボン材を充填しているが、カーボン材を増やすと、水蒸気バリア性が低下するという問題があった。水蒸気バリア性が低下すると、蓄電デバイスの内部抵抗を上昇させ、劣化の要因となる。

 同社は、これまでに蓄積してきた高分子材料の設計技術、複合化技術を活用し、熱可塑性樹脂を主原料とした耐食性フィルムに、薄膜状で、柔軟性をもち、優れた導電性と、樹脂本来の水蒸気バリア性の維持を両立させることに成功した。
 
 今後はエレクトロニクス製品の高機能化に伴い、優れた導電性と耐久性が蓄電デバイスに要求されるようになるため、これらの蓄電デバイス向けを中心に、来年度の供給開始に向けて新規用途開拓を進めていく方針だ。開発商品の段階だが、5年後には
5億円の売上げを見込んでいる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=1468