2003年10月31日
宇部興産、ポリカーボネートジオール・オキセタン事業を本格展開
宇部工場の設備30%増強、スペインにも生産拠点構築
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産

宇部興産は31日、ファインケミカル事業拡大の一環としてPCD(ポリカーボネートジオール)やオキセタンの販売を本格展開すると発表した。主原料である宇部工場のDMC(ジメチルカーボネート)設備は、来年7月完成をめどに約30%能力アップする

 PCDは、ポリウレタン樹脂原料として、主に自動車・高級家具向けの高機能合成皮革や水性塗料などに使用されているが、同社のポリウレタンは、耐候性、耐加水分解性などに優れ、主原料であるDMCと1,6-ヘキサンジオールをともに自給しているのが強み。このため販売量は、年率10%以上の伸びをみせている。
 
 今後もユーザーの高級指向や、環境規制による塗料の水系化などにより、需要の増大が見込まれ、このため同社では海外の生産拠点として、2005年下期の操業開始を目標に、スペインに年産3,000トン規模のPCD設備建設計画を具体化中。

 一方、オキセタンは、塗料、接着剤、各種コーティング剤などに使用され、エポキシに比べて柔軟性や密着性に優れ、環境にやさしい材料としても注目されている。また、エポキシ樹脂分野で多用されているカルボン酸硬化を、オキセタン樹脂に適用した製品が相次いで立ち上がる状況にあり、オキセタンに対する需要も活発化している。
 
 同社では、DMCとTMP(トリメチロールプロパン)を主原料としたEHO(3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン)と呼ばれるオキセタンの事業化を世界に先駆けて進めており、今後、市場のニーズにより年産数千トン規模の商業プラント建設も視野に入れた展開を図っていく方針。これらPCD分野の売上げ規模は年間20〜30億円規模という。

 なお、同社は11月4〜7日に東京ビッグサイトで開催される「INCHEM TOKYO 2003」に同製品を出展、紹介する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=1472