2003年11月04日
中国のSM輸入が急増、1〜9月200万トン突破
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 中国のSM(スチレンモノマー)輸入が急増を続けている。同国の通関統計によると、9月の輸入量は28万6,100トンで、前月比21%の増加となった。これまでの推移をみると6月の19万8,000トンから7月20万7,000トン、8月23万5,000トンと、月を追うごとに増加している。
 
 1〜9月の輸入累計は200万1,000トンで、200万トンの大台を超えた。2002年の年間輸入量は過去最高の179万8,500トン(前年比11.86%増)だったが、今年は早くも9ヵ月でこの輸入量を突破したことになる。また去年1〜9月の輸入累計は128万4,000トンだった。今年の200万トンは、前年同期比では55.82%増という大幅増加ぶりだ。
 
 中国のSM輸入がなぜこのように急増したのかの理由は、業界でも「製品や需要の構造が日本とは異なっていることもあり、よく分らない」という。ただ経済の高成長が続く中で、家電製品向けのPSや、ABS樹脂の出荷が好調なことだけは間違いないようだ。
 
 今年の中国の需要見通しについては、300〜350万トンという見方が有力だ。ただ国内にどの程度の生産設備があり、稼動状況はどうか、などとなるとほとんど不明のようだ。稼動中の設備の能力は合計70〜80万トンと想定されているが、それだと、需要量からその分を差し引いた250万トン程度の輸入は必要ということになり、9月までの輸入量が200万トンを超えたことには必然性があるといえるわけだ。

【中国のSM輸入上位5ヵ国】単位:トン(1000kg以下切り捨て)
(2003年9月=合計286,195)
(1)日本      94,874
(2)韓国      82,506
(3)米国      48,060
(4)シンガポール  24,082
(5)サウジアラビア 23,282

(1〜9月累計=2,001,509)
(1)日本      683,384
(2)韓国      577,745
(3)米国      262,712
(4)サウジアラビア 128,674
(5)インドネシア  118,366