2003年11月06日
アジア地域でプロピレン価格が再び上昇
エチレンの相場はほぼ1ヶ月変化なし
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 エチレンセンターならびに大手商社筋によると、アジア地域におけるプロピレンのスポット相場が再び騰勢をたどりはじめた。10初旬の時点ではCFRトン当たり510ドル前後であったが、その後週を追って上昇しており、先週末には560ドル平均となっている。1ヶ月で50〜60ドルものアップとなっているわけで、夏場以降ではもっとも高い上昇率といえる。

 この要因としては、PPやANなど主要誘導品のアジア地域における需要が中国の国慶節明け以降再び活発化してきたことが挙げられる。これらの誘導品の需要家の間には、プロピレンの当面の需給バランスに対して不安感を持つ向きが増えてきており、先高観も広がってきている。このためトレーダーの中にも予め余分のオファーを出すところが出てきており、それが実勢価格を引き上げる材料にもなっているようだ。

 反面、エチレンのスポット相場はこの1ヶ月あまりほとんど変化なくきている。湖南石油化学のHDPEプラントの火災事故によって韓国内のエチレンのバランスに余裕が生じてきていることや、中東から近い時期にエチレンが持ち込まれる見通しになってきたことなどが作用してのものと見られる。直近のCFR価格は同460ドル前後のところにある。