2003年11月06日
ANの中国の需要が再び活発に
旭化成は輸出価格を引き上げへ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:旭化成

 ANの世界最大消費国である中国におけるANの需要がここにきて再び活発になってきた。透明ABSの需要が順調に拡大しているのに加えて、繊維向けの消費が急拡大してきたことによるもの。

 繊維向けの需要の増加は、今夏の天候不順による綿花の収穫量の大幅な縮小に伴って紡績業界の間で衣料やカーペットなどに混紡するANの構成比率を思い切って引き上げるところが相次ぎはじめたことによる面が大きいようだ。こうした事態は今後もなおしばらく続く見通しにあり、このため中国の繊維メーカーはむろんのこと、ABSメーカーの多くも積極的にわが国のANメーカーに引き合いを寄せている。

 これに対して最大手の旭化成では、近く中国のユーザー各社に11月中旬以降の船積み分の価格是正を表明する構えにある。CFRトン当たり850ドルへの引き上げを予定している。9月と10月分はともに830〜840ドルで据え置きとなっていたが、円高の進行と原料プロピレンの高騰が不可避となってきたため底上げせざるを得ないとしている。

 需給バランスは、ANメーカーの多くの秋の定修が完了したにもかかわらず、在庫が極端に減っていたこともあってアジア全体に均衡した状態が続いている。