2003年11月10日
アジアの今年のAN需要、257万8,000tに拡大
中国の大幅増が寄与して昨年を2.5%上回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:旭化成

 アジア地域におけるANの最大手メーカーである旭化成によると、アジアのANの今年の総需要量は257万8,000tとなる公算が濃厚となってきた。昨年の総需要量は前年の8.9%増の251万4,000tであったので、今年の伸び率は2.5%ということになる。
 
 この中で特に注目されるのは、最大の消費国である中国の需要量が前年を14.%上回って87万4,000tに拡大すると予想されている点だ。5年連続の2けたの伸び率になるとの見方である。AN繊維向けが予想以上の伸びを遂げていることと、ABS樹脂の需要が着実に増えていることなどによるものという。
 その反面、日本、韓国、台湾の極東3カ国の需要は揃って前年を下回る見通しとなっている。AN繊維の需要縮小によるもので、日本は6.1%減の60万1,000t、韓国は1.1%減の43万t、台湾は2.7%減の38万9,000tと予想されている。
 
 一方の供給力はアジア全体で年産224万9,000tとなっている。前年より7.6%増えてはいるが、総需要量を約33万t下回っており、この不足分は欧米品でカバーされる見込みとなっている。
 旭化成では、来年も同様にアジア地域の需給バランスはタイトな状態が続くと予想している。特に3〜4月は大型定修が集中するので品不足が深刻になると判断している。