2003年11月12日
SMのアジアの価格、740〜750ドルに上昇
中国市場を中心に需給が一段とタイト
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 スチレンモノマー(SM)メーカー並びに大手商社筋によると、SMのアジア地域の価格は12月も11月と同じ高レベルに据え置かれる公算が濃厚となってきた。中国を例に取ると、CFRトン当たり740〜750ドルとなる見込み。
 
 10月のアジア地域の平均CFR価格は同700ドルであったが、向う1ヶ月半は40〜50ドル高で推移することになる。
 SMのアジア地域の需給バランスは、需要がPS、EPS、ABSなどあらゆる誘導品分野において引き続き拡大傾向をたどっているためこれまでにない大幅なショ−トバランスとなっている。日本、韓国、台湾など同地域のSMメーカーだけでは旺盛な需要に対応できず、このため中国などは緊急に米国から持ち込んで当座の不足量をかろうしてカバーしているところ。しかし、米国からアジアにSMが到着するまでには40日から50日が必要であり、しかもトン50ドル前後のフレートがかかる。加えて、安定供給性に著しく欠けるという問題もある。したがって、アジア地域の需要家はどうしても極東のSMメーカーに引き続き多くを依存していかざるを得ない状況にあり、それだけにこれからも日本のSMメーカーが同地域におけるプライスリーダーの役割を果たしていくことになりそう。