2003年11月14日
旭化成ワッカーシリコーン、5年後に売り上げ70億円めざす
LED、土木用などの市場開拓
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:GE東芝シリコーン、旭化成、デグサ、東芝、日本ユニカー

 旭化成ワッカーシリコーンは5年後に売り上げ高70億円をめざし、エレクトロニクス、土木向けなどの製品を積極的に拡充することになった。同社は昨年夏に茨城県真壁の明野工場にシリコーンモデファイラテックスの新設備(年産数1,000トン)を完成、高付加価値製品として市場開拓を進めてきたが、順調な伸びを示している。
 
 こうした新製品を含む現在の同社の年間売り上げは約50億円。シリコーンはメーカーの競争が激しい一方、産業としては成熟期にさしかかっているといわれてきたが、「知恵をだして新市場を開拓する」という同社の姿勢が注目されている。
 
 旭化成は「日本で培われた応用技術開発力」と独・ワッカー社の「世界の生産技術力」を合わせて生かそうと1999年10月に合弁(50:50)で旭化成ワッカー社を設立した。シリコーン素材の国産化に取り組んだわけだが、耐熱性200度C、低温特性マイナス40度Cの性能を確保したほか、透明性やUV(紫外線)に対応する技術開発を行った。
 
 用途面では白色LED(発光ダイオード)の封止剤が伸びている。また、コンクリート強度を高めたり、吸水を防止するなどの製品を生産、土木、橋梁分野や壁材の市場にも売り込んだ。
 
 同社はオイル、ワニス、ゴム、シラン、エマルジョンなどの多彩な形状のシリコーンを供給し、品質面でも耐熱性、耐候性、電気特性、耐薬品性、発水性、離型性、消泡性などを向上させている。
 
 創造的なシリコーン製品の開発に重点を置く同社は、プライオリティをつけるため、製品計画に4つの仕分けをしている。成長が見込まれるものを「グリーン」、つきつめる必要のあるものを「イエロー」(2つ)、何かに変える扱いの「レッド」。個人の貢献を期待している。
 
 シリコーンメーカーには信越化学をトップに、GE東芝シリコーン、ダウコーニング、日本ユニカー、デグサなどがあり、激しい競合を繰り返している。