2003年11月17日
「高校化学グランプリ」表彰晴れやかに
「化学オリンピック」代表も頼もしく
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本化学会

「夢・化学-21」キャンペーン事業の柱の一つ「全国高校化学グランプリ」は、先に受賞者が決ったが、主催団体である日化協など化学4団体は16日午後、東京・千代田区の日本化学会館で表彰式と、来年度の化学オリンピック派遣選手の認証式を開催した。
 
 全国高校化学グランプリの開催は今年が5回目。参加者1,138人という激戦の中から、優秀賞を受賞した私立大阪星光高校の井村祐己君ら5人と、金賞(15人)受賞者が出席した。組織委員会の中西委員長(日化協会長)は、挨拶の中で、日本の化学技術水準は国際的に高いレベルにあると述べたあと「化学工業の発展には、新しい技術の開発が必要だが、あなたたちは、その可能性を秘めている」と受賞の生徒たちをたたえた。
 
 続いて文科省の大槻教育課課程課長、経産省の真鍋化学課長が祝辞を述べた。真鍋課長は「資源小国の日本は、加工貿易の国で高付加価値製品を開発していくしか道はない。君たちの頭脳に日本経済の将来がかかっているといっていい。これから大いに世界に向って羽ばたいてほしい」と励ました。
 
 受賞者たちは、「ふだん学校でやっていないような実験を今回初めてやらせてもらった。まさかと思ったが賞がもらえて嬉しい」、「これからも化学の道に進みたい。少し自信がついたような気がする」などと、受賞の喜びを語った。
 
 2004年7月にドイツで開催される「化学オリンピック」への派遣代表も、今回の高校グランプリに参加した1〜2年生の中から、栄光学園高校の小山貴広君ら4人が選ばれ、一人ずつ紹介されたあと認証盾が手渡された。4人は「選ばれた以上は金メダルを目ざします」「楽しんで、結果を出して帰ってきます」と、頼もしく、元気いっぱいだった。
 
 畑中運営委員長(東大教授)が選考結果を講評したあと、神奈川科学技術アカデミーの藤嶋理事長が「化学のおもしろさ」をテーマに記念講演を行った。藤嶋氏の講演内容は、酸化チタンを使った光触媒の開発や応用に関するものだったが、高校生たちは熱心に聞き入り「エネルギー効率を高めるには、どうすればいいのですか」など、質問攻めにする一幕もみられた。

<優秀賞、金賞受賞者一覧>

【優秀賞】(5名)
◇石丸 備凡(東海高校・3年)
◇井村 祐己(大阪星光学院・3年)
◇小椋 章弘(筑波大付属駒場・3年)
◇北川 拓也(灘高校・3年)
◇佐藤 一樹(筑波大付属駒場・3年)

【金賞】(15名)
◇荒木 康史(栄光学園・3年)
◇上野 功一(創価高校・3年)
◇小山 貴広(栄光学園・2年)
◇上条 諭志(開成高校・3年)
◇甲田 信一(創価高校・3年)
◇斎藤 可奈(秀光中等教育学校・3年)
◇櫻木 健司(県立熊本高校・3年)
◇田中 真吾(開成高校・3年)
◇中村 修平(学芸大付属高校・3年)
◇日比野 世光(私立渋谷幕張・3年)
◇廣瀬 俊典(私立岩田高校・3年)
◇松田 淳(東海高校・3年)
◇山崎 啓吾(駒場東邦高・3年)
◇山下 忠紘(駒場東邦高・3年)
◇吉田 隆宏(県立宮崎西高・3年)

【オリンピック代表選抜】(4名)
◇小山 貴広(栄光学園・2年)
◇川崎 瑛生(武蔵高校・1年)
◇神戸 徹也(白陵高校・2年)
◇増田 光一郎(県立福岡高校・3年)