2003年11月18日
PSの10月の出荷、輸出の大幅減で前年を7%下回る
月末在庫は生産の縮小で一段と減少
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:PSジャパン、日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が18日に明らかにしたところによると、PS(ポリスチレン)の9月の生産数量は7万7,308tとなった。前年同月の実績に比べると13%の減少である。
 一方の出荷数量は8万3,457tで、生産量を大きく上回った。しかし前年同月に対しては7%の減少となっている。この結果、月末在庫は一段と縮小して8万5,138tとなった。前年同月を9%下回る規模となっている。
 
 生産が大幅な減少となったのは、2社が定修を実施したことと、6月末にPSジャパンが設備の一部を廃棄したことに伴って総生産能力が前年を年産8万5,000t分下回っていることによるもの。これでPSの月間生産量は5ヶ月連続の7万t台となった。
 一方の出荷の減少は、輸出が前年の2分の1に縮小したことによるところが大きい。各社が採算性をこれまで以上に考慮して輸出先を特定の需要家に限定する施策を取っているためと見られる。
 
 他方、国内向け出荷は9月に続いて10月も前年同月を2%下回った。FS用は16%もの伸びを遂げ、また包装用も2%増と順調であったが、電機・工業用が17%減、雑貨産業用が13%減といずれも大幅減となったのが響いている。電機・工業用の減少は、各種ソフトウェア関連と冷蔵庫ならびにエアコンの需要不振が影響してのもの。
 
 こうした結果出荷トータルは7%減となったが、生産量が13%もの減少となったため月末在庫率は前月よりさらに0.1ポイント下がって1.0ヶ月分に縮小した。この点はPSメーカー全体には明るい材料といえる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/031118pssm.tif