2003年11月18日
環境省、大気汚染物質の削減が急進展と報告
日化協など74団体の14年度の実績、目標を大きく超える
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:環境省、石油化学工業協会、日本化学工業協会

 環境省は18日に中央環境審議会大気環境部会排出抑制専門委員会の第7回会合を開き、有害大気汚染物質に関する関係業界の自主管理計画の14年度における実施状況を報告した。 これは、日本化学工業協会、石油化学工業協会、日本製薬工業協会など合計74団体と室蘭地区など合計五つの地域のベンゼンに係わる自主管理計画策定主体とがそれぞれ14年度において合計12の有害大気汚染物質の排出量をどれだけ削減したかを調査した結果を取りまとめて報告したもの。
 
 それによると、合計47団体による12物質トータルの14年度における総排出量は、基準年である11年度の3万8,267tから1万9,464tに縮小している。1万8,803t削減されたわけ。削減率は49%ということになる。平成13年度に比較すると4,467t減少している。削減率は19%となる。
 これらの団体が策定した平成15年度末の排出目標量は、11年度比1万5,030t減(39%減)の2万3,237tであった。14年度の実績はそれを3,773t上回っており、こうした点について環境省では「排出削減への取り組みが当初の計画以上に進んでいることが明らかになった」と評価している。
 対象物質のうち、アセトアルデヒド、ジクロロメタン、ホルムアルデヒド、二硫化三ニッケル・硫酸ニッケルの4物質は13年度ではいち早く目標を達成したが、14年度では新たに合計5物質が加わった。すなわち、1,3-ブタジエン(達成率は129%)、トリクロロエチレン(同125%)、ベンゼン(同121%)、アクリロニトリル(同115%)、1,2-ジクロロエタン(105%)--の計5物質が目標を1年前にムリアした。
 
 一方、自主管理でベンゼンの削減に取り組んでいる合計5地域の14年度の排出量は216tで、基準年度の1,047tに比べて831t減った。実に70%以上の減少となっている。13年度に比較しても158t(42%)減っている。15年度の目標排出量は149tなので、14年度までの達成率は93%ということになる。
 
 なお、この日の会合では各団体の実績について詳細に報告されたものの、5つの地域のベンゼンの排出実績の細部に関しては時間の都合で来年1月の会合まで持ち越しとなった。