2003年11月20日
シャノン、中部以西でも樹脂サッシの市場を開拓
佐賀県相知にも生産拠点を来春設置
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:シャノン

 樹脂サッシ最大手のシャノンは、北海道をはじめとした東日本地域に続いて中部以西の地域でも樹脂サッシ(商品名・シャノンウインド)の需要開拓に本腰を入れて取り組むことになった。北海道や東北などの寒冷地域のみならず関東でも塩ビ樹脂サッシ特有の様々な機能が人気を呼んで需要が急速に伸びてきたため、中部、近畿、中国、四国、九州の各地域でも普及していく公算が濃厚と判断したもの。
 
 このため現在同社では、これらの地域の市場を一手にカバーしていくための新工場を佐賀県相知町郊外に建設中。来年4月には年産5万窓能力の新工場が完工の予定。この結果、同社の生産拠点は、北海道・栗山町、岩手間花巻市の両工場と合わせて3ヵ所となる。初年度は2万窓の生産を予定、その後順次拡大していく。
 
 樹脂サッシの需要は欧州各国から始まって世界各地で急速な広がりを遂げている。プラスチックサッシ工業会によると、2000年の欧米におけるサッシ全体に占める樹脂サッシの構成比はアイルランドで65.6%、ドイツで55.1%、米国で46.0%などと極めて高い比率となっている。気候が比較的温暖なフランスでも38.0%に達しており、最近は中国での普及率も急拡大している。また、シンガポールなどの熱帯諸国でも採用が始まっている。
 これは、樹脂サッシが持つ特有の優れた機能、すなわち断熱性能が高いこと、加えて気密性能も優れておりこのためCO2を削減できること、結露やコールドドラフトを防げること、耐風圧性能や遮音性能にも優れること--といった様々な特質が市場で高く評価されていることによるもの。
 対する日本における普及率はまだ低位にとどまっている。しかし最近は樹脂サッシ特有の性能が多くの建築関係事業者や市民に認識されるようになってきており、需要開拓に弾みがつきつつある。関係者の間には、北海道や東北地方だけでなく関東地域でも採用件数が大幅に増えてきたことが人気の盛り上がりを象徴していると判断する向きが多い。
 シャノンはこうした傾向を捉えて市場の拡大に取り組むことにしたわけで、これがどういった成果を上げていくかが他の樹脂サッシメーカーの動向も含めて注目される。