2003年11月20日
昭電、半導体デバイス超微細加工用ガスC4F6を上市
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工は20日、デジタル家電や液晶表示装置などに向けた、最先端システムLSI(大規模集積回路)、高速・大容量のメモリーデバイスなどの加工に不可欠な、線幅90nm(ナノメートル)以下の超微細加工用ドライエッチングガス「C4F6:ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン」をロシアで開発したため、2004年初から本格展開すると発表した。ロシアで粗製品を量産し、川崎事業所で精製、品質保証を行う。

 C4F6は環境負荷が非常に低いという優れた特長も持っている。2005年には10億円規模の売上高を見込む。

 半導体加工工程の基本となるシリコン酸化膜の微細加工には、フッ素系ガスによるドライエッチング法が広く普及している。このほど同社が上市したC4F6は、線幅90nm以下の最先端酸化膜微細加工プロセスに採用されたフッ素系ドライエッチングガスで、線幅130nmクラスの加工で使用されるC4F8(オクタフルオロシクロブタン)などに比べ、次のような特徴をもっている。

(1) 大気寿命が2日以下と短く(C4F8:3,200年)環境への負荷が非常に小さい。
(2) このため、C4F8等温暖化係数が高いPFC(Perfluorocarbon)の代替品として有用。
(3) 細くて深い溝(高いアスペクト比)が得られるため、微細加工性に優れる。
(4) シリコン酸化膜のみ加工し、レジスト、シリコン基板や窒化膜を加工しない選択性に優れる。
 
 なお同社では、本年2月に国内で初めてC4F6の「化審法」に基づく新規化学物質の届出を完了している。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=1537