2003年11月25日
中国向け輸出価格、PVCもVCMも一段と上昇
東ソーなど日本企業各社のオファーが通る
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ、東ソー

 東ソー、信越化学、大洋塩ビなど日本のVCM(塩ビモノマー)ならびにPVC(塩ビ樹脂)メーカー各社が中国の各需要家と進めていた11月並びに12月分の輸出価格交渉がこのほど相次いで決着した。VCMの場合は11月の、またPVCについては12月の引渡し分の価格交渉をそれぞれ進めてきたが、いずれも日本側各社のオファーが通ったという。
 
 今回決定したVCMの11月分の価格はCFRトン当たり590〜600ドル。10月に比べると30〜40ドル高い。最近のボトムの8月の価格に対比すると80ドル高となる。
 一方のPVCの12月分の価格は同700〜710ドルとなった。11月分を40〜50ドル上回る。5〜6月の平均に比べると150〜160ドルもの上昇となる。最近のピークである今年3月のレベルにあと10ドルのところまで回復してきた。
 
 中国では、PVC製品の対米輸出が引き続き好調であり、一方の国内の自給能力が電力不足の影響でVCMもPVCも限界点に達していることから需給バランスが再び逼迫傾向をたどってきている。したがって、12月早々に始まるVCMの12月分の輸出交渉も引き続き日本側が優位に立って進めていけると見られている。