2003年11月26日
汎用4樹脂の出荷の累計、LDPEとPPが前年超え
ポリオレフィン3樹脂は当初の予想上回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:経済産業省

 汎用4樹脂の出荷の今年1月から10月までの累計は、LDPEとPPがともに前年同期の実績を上回る規模となった。
 
 LDPEの総出荷量は1.3%増となっている。輸出の5.3%減を国内向けの2.2%増でかろうじてカバーしたもの。一方のPPの総出荷量は3.4%増で、うち国内向けは1.2%、輸出は25.9%それぞれ前年同期を上回っている。LDPEとは対照的に輸出が大きく伸びている点が特に目を引く。
 
 反面、HDPEの総出荷量は0.7%の微減となり、PSにいたっては6.9%もの減少となっている。両樹脂とも国内向けと輸出の両方が前年同期を下回っている。うちHDPEの場合は国内向けが0.5%減、輸出が1.7%減と縮小幅がいずれも小さい。
 
 しかしPSは、国内こそ0.4%減にとどまっているものの輸出が47.0%もの大幅減となっている。もっとも、同樹脂メーカーによると、輸出の大幅な減少は、中国など海外からの引き合い価格の多くが各社の希望価格と合致しないため各社が思い切って成約を見送る行動に出たことによるものという。
 
 注目されるのは、ポリオレフィン3樹脂の総出荷数量の対前年比がいずれも経済産業省製造産業局が昨年末にまとめた今年1年の各樹脂の需要見通しの対前年比を上回っている点だ。LDPEは3.3ポイント、HDPEは3.2ポイント、PPは0.5ポイントそれぞれ上回っている。
 
 汎用4樹脂の出荷の今年1〜10月の累計は以下の通り。単位はトン。かっこ内は前年同期比。
 [LDPE]
 国内      1,318,767(102.2%)
 うちフィルム用  689,013(102.7%)
 輸出       181,174( 94.7%)
 合計      1,499,941(101.3%)
 [HDPE]
 国内       790,213( 99.5%)
 うちフィルム用  286,777( 99.5%)
 輸出       165,255( 98.3%)
 合計       955,468( 99.3%)
 [PP]
 国内      2,097,458(101.2%)
 うち射出成形用 1,215,902(101.7%)
 輸出       255,922(125.9%)
 合計      2,353,380(101.7%)
 [PS]
 国内       750,334( 99.4%)
 うち包装用    284,854(100.0%)
 輸出       62,620( 53.0%)
 合計       812,954( 93.1%)