2003年11月27日
栄研化学「SARSウイルス」検出試薬キット、厚労省に申請
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:栄研化学、厚生労働省

栄研化学(本社:東京都文京区)は27日、独自の遺伝子増幅法「LAMP法」で開発してきた「SARS」(重症急性呼吸器症候群)コロナウイルス検出試薬キットについて、同日付で厚生労働省に製造承認申請を行ったと発表した。

 昨年11 月に中国・広東省で発生した新型コロナウイルスによるSARS は、高熱や激しい咳が出るなど肺炎に似た症状を起こし、感染力の強い新興急性感染症として、世界規模で感染が広がった。人的被害だけでなく、経済的にも大きな打撃を与えた。
 
 本年7月にはWHOから終息宣言が出されたが、冬場を迎えて再流行が懸念され、まだ十分治療法や迅速な診断法がないため、その対策は緊急課題となっている。

 栄研化学は、LAMP法の「簡易、迅速、精確、安価」という特徴がSARS コロナウイルスの検出に有効と考え、早期の商品化を目指して、研究開発を続けてきた。日本では患者がいないため、長崎大学熱帯医学研究所(病原体解析部門分子構造解析分野・森田公一教授)および国立感染症研究所(ウイルス第3部・田代眞人部長)を中心にWHO研究ネットワークを結び、香港、ベトナムなど海外の研究機関て臨床試験を実施してきた。

 同試薬キットは、高感度(検出感度10 コピー)、迅速(所要時間は約1 時間)であり、また、流行の重なることが懸念されるインフルエンザウイルスおよび他のコロナウイルス等による偽陽性もなく、特異性にも優れていると判断して製造承認を申請した。

 同社は今後、厚労省の承認が得られた次第、試薬キットおよびリアルタイム濁度測定装置ともに発売開始する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/031127eiken.pdf