2003年12月04日
汎用樹脂の対中輸出、PP以外の不振が続く
1〜10月累計でも前年超えはPPホモポリマーだけ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の10月の対中国向け輸出通関数量(香港向けを含む)は、PPのホモポリマーとコポリマーが前年同月を上回ったものの、LDPE、HDPE、PS、PVCの4樹脂はいずれも前年同月を割り込んだ。
 中国の需要自体は全体に引き続き活発だが、PPの両品種を除く4樹脂の場合は中東各国、シンガポール、台湾、韓国などがシェアの拡大を狙って価格攻勢をかけてきているため最近の日本側は後退を余儀なくされており、それが10月の実績にもはっきり表れているといえる。
 
 この結果、1月から10月までの累計も、PPのホモポリマーを除く5樹脂が前年同月の実績を下回るに至っている。うち、PS、LDPE、PVCは特に縮小幅が大きく、このため今年の年計でも前年を下回る公算が濃厚と見られる。
 
 汎用各樹脂の対中輸出通関数量の10月と1〜10月計の実績は以下の通り。単位はトン。かっこ内は前年比。
 [LDPE] 11,548( 77.4%) 108,463( 77.0%)
 [HDPE] 11,661( 88.4%) 116,620( 94.0%)
 [PP-H] 11,406(113.2%) 133,923(108.2%)
 [PP-C] 3,001(102.1%) 32,491( 96.2%)
 [PS] 6,264( 48.3%) 87,747( 60.3%)
 [PVC] 48,261( 95.2%) 487,982( 90.9%)