2003年12月05日
汎用6樹脂の中国の輸入、トップは韓国品か台湾品が占める
日本品は軒並みランクダウン、PVCも第2位に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 中国国内の汎用樹脂の需要は引き続き活発で、10月の輸入数量も軒並み前年同月を上回ったが、こうした中では韓国品と台湾品が従来にも増して勢力を拡大している点が注目される。汎用6樹脂のうちLDPE、HDPE、PPの3樹脂では韓国品が、またPS、PVC、ABSの3樹脂では台湾品がそれぞれトップを占めている。
 日本品は、PVCが第2位、ABSが第3位、HDPEが第4位、PSが第5位、LDPEとPPが第7位となっている。いずれも数年前に比べると大幅なランクダウンである。長年にわたって第1位をキープしてきたPVCも台湾品に首位を明け渡している。各樹脂の対前年同月比率も全体の平均を全て下回っている。
 
 全体の1月から10月までの累計も、HDPEとPPでは韓国品が、そしてPS、PVC、ABSの3樹脂では台湾品がそれぞれ第1位を占めている。LDPEだけが例外で、シンガポール品がトップの座についている。
 日本品は、累計でも韓国や台湾に大きく水をあけられている。PVCは第2位、ABSは第3位だが、LDPE、HDPE、PSの3樹脂はいずれも第5位であり、PPにいたっては第7位にとどまっている。韓国や台湾のみならず、シンガポール、サウジアラビア、マレーシア、インド、タイといった新興国からも急激な追い上げを受けてシェアを逆転されるケースが増えている。
 各樹脂の10月の輸入実績のうちのシェア第1位国ならびに日本品の数量は以下の通り。単位はトン。かっこ内は前年比。右は1〜10月合計。
 [LDPE] 韓国 30,189(127.7%) シンガポール 368,700(103.7%)
  日本 10,127( 77.1%) 114,268( 80.8%)
  合計 186,309(106.6%) 2,068,429(103.9%)
 [HDPE] 韓国 48,268(128.4%) 韓国 488,605(100.2%)
  日本 10,539( 96.2%) 111,425( 95.6%)
  合計 167,530(115.7%) 1,798,989(103.6%)
 [PP] 韓国 68,131(142.6%) 韓国 624,529(105.2%)
  日本 13,535(131.5%) 148,690(104.8%)
  合計 237,408(139.3%) 2,218,579(112.4%)
 [PS] 台湾 39,943( 94.0%) 台湾 380,775( 89.3%)
  日本 5,565( 42.3%) 92,594( 70.9%)
  合計 118,185(102.7%) 1,139,537( 94.0%)
 [PVC] 台湾 46,100(149.1%) 台湾 383,124(114.4%)
  日本 30,760( 99.3%) 345,646( 81.3%)
  合計 146,676(137.0%) 1,436,334( 99.5%)
 [ABS] 台湾 70,816(123.3%) 台湾 635,082(102.0%)
  日本 14,171(110.0%) 125,873(101.9%)
  合計 163,189(125.3%) 1,454,871(106.2%)