2003年12月05日
JPEとJPP、“ナフサリンク制”の適用拡大に本腰
来年4月以降は取り引きのほとんどを切り替えへ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:日本ポリエチレン、日本ポリケム、日本ポリプロ、三井化学

 日本ポリエチレン(JPE)、日本ポリプロ(JPP)の両社は、各樹脂の販売価格をナフサ価格の変動に合わせて改訂するいわゆる“ナフサリンク制度”の普及に本格的に取り組む方針を固めた。現在の適用率は全販売数量の25%ていどだが、来年4月以降は取り引きのほとんどについて同制度を適用すべく各ユーザーの説得に全力を投入していきたいとしている。
 
 ナフサリンク制度の採用は、かねてからポリオレフィン各社に共通の最重要課題となっているもの。需要家の中には、電線メーカーや自動車メーカーなどのように同制度の持つ合理性を認めていち早く樹脂メーカーの提案を受け入れて採用に踏み切っているところも存在する。しかし中には従来からの値決め手法に強いこだわりを持つユーザーも少なくないため、普及のスピードは全体に鈍い。
 こうした中で、日本ポリケム(JPC)グループが同制度への切り替えに本腰を入れて取り組むことにしたのは、これまで以上に経営環境が激しく変化する時代の中で適正な収益を確保していくには原料価格の変動に円滑に樹脂価格をマッチさせていく同システムの完全な確立に本格的に取り組むのが焦眉の急と判断したことによる。かねてから同制度の拡大に意欲的な三井化学とJPCグループがともに同制度の普及にこれまで以上のエネルギーを注いでいけば、需要家の多くが理解を示して一定の成果が上がるものと見られる。