2003年12月08日
中国の天津ハイテク産業園が企業誘致、トヨタの進出で加速
華苑ソフトウェアセンター、売り上げが前年比49%増
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:NEC、三洋電機、島津製作所、トヨタ自動車

 中国天津市の経済開発で重点地域となっている天津新技術産業園区(天津ハイテク産業園区)の政府幹部が来日し、5日、北海道札幌市で投資環境説明会を開いた。一行の説明によると同市は1984年に天津技術開発区の建設に着手する一方、91年には港保税区とこの天津ハイテク産業園区の開発を始めた。ハイテク産業園区は国務院が許可した国家レベルの産業開発区で、中心に華苑産業区を配置している。

 同市の西南部に位置し面積は約22平方キロメートル。科学研究基地と科学技術貿易街、南開工業区園を含む政策区や武清開発区、北辰科学技術工業園を含む放射区、それに華苑産業区の3区分から成っている。

 華苑産業区には98年6月に設立された天津華苑ソフトウェアセンター(約2平方キロメートル)があり、企業インキュベーションセンター、輸出生産基地、人材育成基地、総合サービス区、産業発展区を置いている。
 
 昨年の売り上げが日本円で約300億円、従業員7,000人に達し、天津市のソフトウェア企業の50%以上が参加し売り上げで対前年比49%の成長があったという。同センターの輸出額は約50億円、輸出先は米国、カナダ、日本、韓国などの10数カ国に及んでいる。
 
 天津ハイテク産業園区全体では内外から約4,800社が進出し、このうち外資企業が800社余、投資総額が30億ドルに達している。今後の重点投資は新エネルギー産業、IT産業、バイオ産業、新材料産業を予定している。

 日本の企業としてはトヨタ自動車、NEC、エプソン、三洋電機、ミツミ電機、島津製作所など140社を数え、全体の14%、第3位の投資比率を占めている。トヨタの工場建設によってことし10月までに約300社の関連企業が進出したといわれる。

 同ハイテク園区は天津海浜国際空港から18キロメートル、北京国際空港から120キロメートル、北京市から140キロメートル、、天津港まで50キロメートル、天津駅から8キロメートルの交通条件。2005年に北京—天津の高速道路が完成すると30分弱の所要時間となる。
 
 土地価格は産業用地が1平方メートル当り月225〜300元(1元は15円、50年間)。電力1KWH0.5〜0.6元、人件費は管理職月3,000元以上、従業員1,000〜2,000元、保険福祉費は給料の9%。

 大学は故周恩来総理が出た南開大学をはじめ26校、50をこえる科学研究所があり、教育レベルが高い。問い合わせは同区日本事務所(東京・世田谷)、電話/090-9370-3668 韓金光所長。