2003年12月08日
東ソー、米社と提携「遺伝子検査ビジネス」に進出
遺伝子検査技術で米国ジェンプローブ社とクロスライセンス契約締結
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーは8日、米国のジェンプローブ社(カリフォルニア州サンディエゴ)と、遺伝子検査技術に関するクロスライセンス契約を締結したと発表した。2004年1月1日付で発効する。

 東ソーは現在、東京研究センターで新規の遺伝子増幅法(TRC法:Transcription Reverse trascription Concerted amplification method)及び検出法(INAF法:INtercalation Activating Fluorescence probe method)を研究・開発している。

 今回ジェンプローブ社所有の遺伝子増幅法(TMA法:Transcription Mediated Amplification method)及びリボゾームRNA測定をはじめとする検査項目関連特許のクロスライセンスに合意したことにより、同社独自の技術を活かした遺伝子検査事業化が可能となった。

 東ソー科学計測事業部は、(a)高速液体クロマトグラフィ-関連の分析機器・カラム・分離剤などの計測事業、(b)糖尿病検査装置、(c)免疫診断装置および診断薬などの免疫診断事業を、国内をはじめ欧米の子会社を通じグローバルに事業展開しており、連結売上高は約200億円。

 今回のクロスライセンス契約により、科学計測事業部は、第四の柱として既存のDNA検査技術と差別化されたRNAのリアルタイム・迅速検査製品を中心とした遺伝子検査事業(TRC事業)を全世界で新たに展開することになる。
 
 まず2004年1月から、食中毒菌毒素遺伝子測定用のTRC試薬として、腸炎ビブリオ耐熱性溶血毒素mRNAと、TRC専用に開発されたリアルタイムモニターシステムTRCR-160の国内販売を開始する。東ソーの遺伝子検査技術はホモジニアス系で、前処理済み検体に2種類のTRC試薬を加えるだけの簡単な操作で迅速(10〜30分)、正確に結果が得られるのが特長という。

 このあと、続けてサルモネラ菌病原因子mRNA、O-157などの腸管出血性大腸菌毒素mRNA、結核菌などの抗酸菌rRNAを測定する体外診断薬の上市を準備中。また癌転移を組織内癌遺伝子の発現で確認するmRNA測定試薬、検体の前処理から検出まで全自動で行えるTRC測定システムなども開発中である。

 東ソーの遺伝子検査事業は、2004年からの国内販売開始に続く2005年からの海外子会社での欧米・アジア市場への販売開始により、2008年にはグル-プ会社連結ベ-スで30億円の売上規模を目標にしている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=1594