2003年12月11日 |
公取委、塩ビ改質剤値上げで鐘化、三菱レに独禁法違反勧告 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:クレハ、三菱レイヨン、公正取引委員会 |
公正取引委員会は11日、塩ビ樹脂向けモディファイヤー(改質剤)のメーカーである、鐘淵化学工業と三菱レイヨンの両社に対し、平成11年末に両社が行った値上げの際、独禁法第3条(不当な取引制限の禁止)に違反する行為があったとして勧告を行った。 公取委は今年2月12日に米国司法省、カナダ競争局及び欧州委員会とほぼ同時期に立入検査を行い、その後調査していた。呉羽化学工業も関係していたが、同社は今年1月1日にモディファイヤー事業ををローム・アンド・ハース社に譲渡しているため、勧告の対象から除外した。発表内容の骨子次のとおり。 【 違反行為の概要】 2社は、呉羽化学工業とともに,塩化ビニル樹脂向けモディファイヤーについて、 (1) 平成11年11月21日出荷分からの販売価格を引き上げること (2) 呉羽化学工業は平成12年11月21日出荷分からの販売価格、三菱レイヨンは同年12月1日出荷分からの販売価格及び鐘淵化学については同年12月21日出荷分からの販売価格をそれぞれ引き上げることをそれぞれ合意することにより、我が国における塩化ビニル樹脂向けモディファイヤーの販売分野における競争を実質的に制限していた。 【 排除措置の概要】 (1) 2社は、前記3の合意が平成15年1月1日以降、事実上消滅していることを確認すること。 (2) 2社は、前記4(1)に基づいて採った措置及び今後,前記3の行為と同様の行為を行わないことを取引先販売業者及び需要者に周知すること。 (3) 2社は、今後、前記3の行為と同様の行為を行わないこと。 (4) 2社は、今後、相互に又は他の事業者と塩化ビニル樹脂向けモディファイヤーの販売価格の引上げについて情報交換を行わないこと。 (5) 2社は、今後、営業担当者に対する独占禁止法に関する研修,法務担当者による定期的な監査等を行うために必要な措置を講じ、これを自社の役員及び従業員に徹底させること。 【勧告諾否の期限】 平成15年12月22日 (勧告を応諾したときは、勧告と同趣旨の審決を行い、応諾しないときは、審判手続を開始することとなる。) ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/031211kotori.tif |