2003年12月22日
ポリオレフィンのフィルム用の出荷、11月は揃って不調
HDPEは1〜11月の累計も前年を下回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン3樹脂の主力品種であるフィルム用の出荷が11月に再び揃って前年同月の実績を下回った。3樹脂揃っての前年同月割れは今年に入ってから5月、6月、7月、8月に続いてこれが5回目となる。
 
 11月のフィルム用品種の出荷数量は、LDPEが前年同月比0.9%減の7万2,100t、HDPEが同6.2%減の3万500t、PPが同4.4%減の4万4,100t--となっている。LDPEのフィルム用は3ヶ月振りに今年6度目の前年割れとなった。HDPEのフィルム用は2ヶ月連続の前年割れである。前年同月割れはこれが8度目。PPは、4月から5ヶ月続いた前年割れが10月にやっと途切れたあと再び前年を下回った。今年7度目の前年割れである。
 
 LDPEの減少は、一般用が0.8%減となったのに加えて重袋用が14.7%縮小したため。HDPEの落ち込みは、極薄・強化フィルム用が6.8%減となったことによるところが大きい。安価な輸入品の増加が要因と見られる。PPの縮小は、CPP用が6.6%増となったにもかかわらずOPPが11.8%減となったため。
 
 この結果、1月から11月までの各樹脂のフィルム用品種の出荷の累計はLDPEが76万1,149t、HDPEが31万7,257t、PPが47万2,403t--となった。前年同期比はLDPEが2.3%増と底堅いが、PPは0.4%増にすぎず、HDPEは1.1%減となっている。