2004年01月05日 |
「思い新たに」各社トップに見る年頭所感 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:旭化成、昭和電工、住友化学、三菱化学 |
化学業界は仕事始めの5日、各社のトップがそれぞれ企業内で年頭の挨拶を行ったが、中間期決算では増収益となるなど、先行きにやや明るさが見えてきた中での年明けだけに、各社長とも「営業利益の拡大」や「一層のコスト削減」「中期経営計画の着実な実行」などを呼びかける、“前向き”な訓示が多かった。 また、昨年は大規模な工場火災事故や自主保安検査を巡る不祥事が続いただけに、「無事故・無災害こそ大前提」「コンプライアンスの徹底を」「企業の社会的責任こそ」と訴えるる言葉には力がこもっていた。 事業の「選択と集中」や製品・技術の「差別化」には今後一層拍車がかかりそうだ。「単なる素材の提供だけでなく、研究の所期段階から商品のコンセプトを描く」(住友化学・米倉弘昌社長)、「個性的な技術・製品をスピーディに開発して収益向上に貢献する」(昭和電工・大橋光夫社長)、「選択と集中は今後も進めなければいけないが、今の経済情勢はそれをゆっくりとやれるような状況にはない」(旭化成・山口信夫会長)といったように、この1年は「革新とスピード」で勝負する年となりそうだ。 景気に好転の兆しは見えたといっても、まだまだ安心は出来ない。「少しでも手を緩めたり、逆風が吹き始めるとこの勢いを維持することが難しくなると予想される」と、社員の気の緩みを警戒し「思いを新たに」(三菱化学・冨澤龍一社長)と説く経営者もいた。 (各社社長の年頭の挨拶はニュースリリース・コーナーにあります) |