2004年01月07日
アジア地域でエチレンの相場が急騰
02年4月以来1年8ヶ月振りにプロピレンと逆転
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 アジア地域におけるエチレンのスポット相場が急騰してきた。昨年12月下旬に入って突然火を噴き、直近の相場は東南アジア地域がトン当たりCFR(以下同)650〜670ドル、極東が620〜630ドルとなっている。12月中旬に比べると、いずれもおよそ100ドルのアップということになる。

 最近ではめずらしい急騰振りだが、わが国のエチレンセンターや大手商社の多くは、この主因として(1)ここにきてのナフサの高騰(2)ポリエチレンやSMなどエチレン系誘導品全体の需要の拡大に伴うエチレンの需要の増加(3)過去1年間にエチレンプラントの大型の新増設がなかったことによる供給力不足の表面化(4)今年もエチレンプラントの大型投資がごく一部に限定される事を睨んでの先行き供給不安感の広がり--等を挙げている。この数年の最高値は03年2月の東南アジアの637ドルであったが、現在はそれを大幅に更新中なわけ。

 この結果、02年4月いらい1年8ヶ月ぶりにエチレン相場がプロピレン相場を上回る形となっている。プロピレンの現在の相場は、東南アジア地域も極東も600ドル強となっており、12月中旬に比べれば20ドル前後上がっているが、エチレンの騰勢には遠く及ばない。大手商社の多くは、今後もエチレンンの相場はなお強含みで推移すると判断している。また、プロピレンのアジア相場もエチレン同様に上がっていくと予想している。