2004年01月09日
アジアのポリオレフィン市況が急騰
需給のタイト化とオレフィンの先高観が影響
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:伊藤忠商事、三菱商事

 三菱商事、伊藤忠商事など大手商社によると、アジア地域におけるポリオレフィンの市況が年明けから各地で高騰してきた。特に、最大消費国である中国向けのオファー価格の上昇率が高い。

 直近のオファーは旧正月明けの引渡し分を対象としたものだが、現在の平均はL-LDPEがトン当たりCFR(以下同)800〜820ドル、HDPEが810〜830ドル、HP-LDPEが850〜880ドル、PPホモポリマーが790〜820ドルとなっている。

 ポリエチレンは1月の引渡し価格を50〜80ドル、PPは30〜50ドル上回っている。最近ではめずらしい高騰ぶりである。

 こうした急上昇の要因としては、中国が農ポリの需要期に入ったこと、全体の需要の国際的な拡大と供給能力の頭打ちによって需給バランスのタイト化が進んできたこと、ナフサの国際スポット相場が急激に上がってきたことなどが挙げられている。また、昨年末に中国国内でレジンの在庫調整が完了して余剰玉が市場から姿を消していることも作用していると見られている。

 商社筋では、今後もなおアジアのポリオレフィン相場は強含みで推移すると予想している。