2004年01月14日
VOCの排出抑制のための論議深まる
中環審の委員からは“折衷案”の提案も
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:環境省

 環境省は13日、中央環境審議会大気環境部会を開催し、前回(昨年12月16日の会合)に続いて揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制について各委員から意見を聞いた。
 
 VOCの排出抑制の必要性についてはかねてから異論を唱える向きはなく、全委員の意見が一致している。しかし、その実現のための方法論となると、化学業界や石油業界さらには鉄鋼業界など関係業界の自主管理に委ねていくのが望ましいとする意見と、法律によって規制すべきだとする意見が合い半ばするかたちとなっていることから結論がまとめられないままきている。
 この日の会合では、環境省が国の内外から収集した新たな参考データをいくつか披露したので前回以上に具体的な意見の交換が行われたが、それでもなお引き続き論議をかさねていく必要があるとの意見が大勢を占めた。
 注目されるのは、委員の中から「自主管理と法規制の両方の持つ長所をうまく生かす手法を検討したらどうか」と、“折衷案”の検討を提案する発言が出てきた点だ。環境省では、1月26日に開催する次回の会合でこの点についても改めて審議を求める考え。また、次回の会合では、排出サイドの業界側の委員から自主管理の具体的な方法論についても説明を求めたいとしている。