2004年01月14日
京セラ、アモルファスシリコンTETの有機ELDに参入
京セラディスプレイ研を設立、2005年から製品販売
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:京セラ、三洋電機、セイコーエプソン、東芝、東北パイオニア、パイオニア

 京セラ(TEL/075-604-3727)は、ユビキタス社会を支えるモバイル機器のキーデバイスとして位置付けられている薄型ディスプレイ(FPD)の分野に進出するため、京セラディスプレイ研究所(宮田秀典社長、資本金1000万円、滋賀県野洲郡)を設立、2月から事業活動を開始することになったと13日、明らかにした。2005年から市場に参入したいとしている。

 新会社が手がけるのは低分子の有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイで、アモルファスシリコンTET基板を用い2〜8センチの中小型サイズのディスプレイを製造、携帯電話、デジタルカメラ、PDA、ゲーム機、カーナビ向けなどに販売する。

 京セラは京セラディスプレイ研究所を設立するに当って、台湾の奇美電子と日本IBMの合弁会社であるインターナショナル・ディスプレイ・テクノロジー(IDT、土師紀龍社長、滋賀県)および奇美電子と技術提携(特許等譲渡契約)を結んだ。
 
 新会社の生産する有機ELディスプレイはすぐれた動画表示特性と高画質が達成できるアクティブマトリクス方式と在来の有機ELに比べ10倍以上(液晶ディスプレイの3分の1の低消費電力)の発光効率を実現、液晶ディスプレイと同じレベルの明るさが表現できるトップエミッション構造を採用している。
 
 薄い・軽い、高画質、すぐれた動画対応、広視野角、低消費電力などの特長を持つ有機ELディスプレイ分野には東北パイオニア、三洋電機、松下電産、東芝、セイコーエプソンなど、すでに多数のメーカーが参入している。
 
 京セラはSTN液晶、TET液晶などをこれまで手がけており、とりわけアモルファスシリコンTETとトップエミッション構造の採用によって先発各社を急追するものとみられる。