2004年01月15日
三井化学、PTA輸出価格トン750ドルに値上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 原油、ナフサ価格に先高観が強まっているが、三井化学はポリエステル原料PTA(高純度テレフタル酸)のアジア向け輸出価格について、2月の船積み分以降トン当り80ドル値上げして750ドルとすることを決めた。近くユーザー筋と交渉に入る。
 
 PTAの原料であるRX(パラキシレン)メーカーから、ナフサの先高観や需給タイトを背景に大幅な値上げ要請を受け、コスト圧迫要因が高まっているためで、このままでは採算悪化が深刻化するとしている。輸出価格だけでなく、国内価格についても今後同様の交渉を行っていく方針。
 
 PTAの輸出価格は、2003年11月〜12月はトン当りC&F650ドル、今年1月には原料高から同670ドルと20ドル値上げした。2月価格は今度の値上げによって750ドルとなる。一方のPX価格は11月の635ドルから12月640ドル、1月655ドルと上昇を続け、2月分はさらに740〜770ドルへと大幅値上げ要請を受けている。
 
 昨年12月対比でみると、PTAの2月価格はトン100ドル幅だが、PXの上げ幅は130ドルとPTAを大きく上回る。同社では「PXの値上げはできるだけ低く抑えたいが、ナフサの先高観が広がる中で需給はタイト状況にあり見通しは厳しい。PTAのユーザーにはよくご理解をいただきたい」といっている。