2004年01月19日
PSの昨年の総出荷量は前年の8%減に
輸出の半減が大きく響く
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:PSジャパン

 PSの昨年12月の生産量は前年同月の6%減、また出荷量は同11%減となった。

 出荷の減少は、内需が若干縮小したこともさることながら、輸出がSMと逆にかつてないほどの大幅な減少となったことによるところが大きい。

 国内向けは、3%減となった。電機・工業用とFS用の不振が響いてのもの。ただし、包装用と雑貨用は前年を上回っている。輸出は、前年同月のわずか35%という極端な低水準に終わっている。これは、採算をキープできない商談を各社が見送ったことによるもの。

 こうした結果、昨年のPSの総生産量は前年の4%減、総出荷数量は同8%減となった。出荷の減少の主たる要因は輸出が半減したことにある。

 国内向け出荷は、1%の微減となった。包装用と雑貨産業用は前年並みで、またFS用は1%減にとどまったが、電機・工業用が6%減と不振であったのが響いている。輸出は49%もの減少となった。これは各社が採算を重視して成約を敢えて限定したことによるもの。この結果、各社の輸出採算はかなり改善された模様。出荷合計は96万‘7,583tで、17年ぶりの100万tの大台割れとなった。

 もっとも、荒浪淳・同工業会会長(PSジャパン社長)は、「PS業界にとって昨年は比較的良い年であった」と言う。理由としては(1)4月に4社体制に縮小して過剰設備の処理が進んだこと(2)輸出比率が7%に下がった結果、収支バランスが改善できたこと(3)販売価格が維持できたこと--の3点を挙げている。

 一方、今年の需要については、「内需90万t、輸出5万tの合計95万tていどにとどまると覚悟する必要がある」と厳しい見方を示し、合わせて、「それだけに各社がこれまで以上に需給のバランスをきちんと維持していくために細心の注意を払っていくことと、販売価格を原料価格の高騰に合わせて適正レベルに是正していくことが極めて重要」と今年の同樹脂メーカー共通の課題についても所信を明らかにした。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/0119smps.tif