2004年01月20日
PSジャパンも“原料価格スライド制”を採用へ
第2・四半期からの実現を目指す
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:PSジャパン、日本ポリエチレン、日本ポリケム、日本ポリプロ、経済産業省

 PS(ポリスチレン)のトップメーカーのPSジャパンは、同樹脂の販売価格を原料価格の変動に合わせて修正するいわゆる“ナフサ・スライド制”の採用に踏み切る方針を固めた。
 
 ナフサ価格が1キロリットル当たり3,000円以上の幅で上下した場合を条件に、四半期単位でそれ見合う幅のPS価格の修正を実施していきたいとしている。昨年末いらいの急騰で現在1トン当たり390ドル前後まで上がっているナフサ価格が今後もなおしばらく高どまりする場合は、今年4〜6月期から同制度を適用したい考え。
 
 “ナフサ・スライド制”については、かねてから三井石油化学が先行するかたちでポリオレフィン3樹脂を対象に実現に取り組んでおり、次いで日本ポリケムグループの日本ポリエチレンと日本ポリプロも今年4月からの本格採用を目指して準備を進めているところ。
 同制度は、石油化学製品の価格決定の透明性が確保でき、また、サプライヤーとユーザーの双方が膨大なエネルギーを浪費してきたこれまでの価格交渉スタイルに終止符を打って整合性のある計画経営の徹底を図れるメリットも持つ。このため海外では、欧米はもとよりアジア地域でもかねてから恒常的にこのシステムで全ての製品の取り引きが進められており、経済産業省内部にも、同システムがわが国でも広く適用されていくことを期待すると発言する向きが多い。