2004年01月21日
PVCの中国向け価格、2月分は800〜820ドルにアップ
信越化学、大洋塩ビなどが香港で各需要家と合意
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ、東ソー

 信越化学、大洋塩ビ、鐘淵化学工業などPVC(塩ビ樹脂)各社は先週末、香港で中国国内の塩ビ加工各社と同樹脂の2月の輸出価格について交渉した結果、トン当たりCFR800ドル〜820ドルとすることでそれぞれ話し合いをまとめた。
 
 大口需要家向けは800ドル、中口需要家810〜820ドルとすることで各ユーザーの同意を得た模様。1月渡しの価格に比べると70〜80ドルのアップということになる。
 今回の値上げは、最近のナフサの高騰と円高に対処してのもの。昨年8月の550〜560ドルをボトムに6ヶ月連続の改善となる。
 PVCメーカーや大手商社によると、中国のPVCの需要は依然として活発。加工企業の多くが特に米国向けの玩具とその容器包装や海水浴用品等の増産に拍車をかけていることによるところが大きいという。一方、アジア地域全体におけるPVCの需給バランスは、このところ新増設が途絶えているため逼迫状態にあり、このため今回の交渉でも日本側各社がイニシアチブを取るかたちで進められたとされる。
 これに続いては、東ソーなどVCMメーカーが、今月末にVCMの2月の輸出価格交渉を中国国内のユーザーと進めることになる。各社ともPVC同様に原料の高騰と円高の影響回避のため値上げの受け入れを要求する構え。