2001年11月20日
大日本インキの奥村社長「ライヒなど事業構造改革に全力」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業

 大日本インキ化学工業の奥村晃三社長は20日の決算説明会で「競争力確保のため事業構造改革の推進に全力をあげ、早期復配を実現したい」と語るとともに、今後の業績見通しについて「下期も米国景気の後退など状況は厳しいが、不採算事業の売却や人員削減、他社とのアライアンスなど、すでに改善計画に着手している。有利子負債を削減しながら一方では有効投資も積極的に行うまど経営が先細りしないようにやっていきたい」と業績回復に強い意欲をみせた。

 同社長はこの中でとくに負担となっている米国子会社、ライヒホールドの今後の構造改善策について、(1)特殊ラテックス事業で米国ダウ・ケミカルと合弁会社を設立したのに続いて汎用ラテックス事業を売却するため交渉中である。(2)もう1つの不採算事業である接着剤部門もスイス・フオーボ社と売却交渉を進めており年内には締結の見通しである。(3)これにより今後は収益部門であるコンポジット、コーティング両事業に経営資源を集中し、大日本インキから人や技術を投入して経営体質の強化をはかるーとの方針を明らかにした。

 ライヒホールドについては「世界的な経済環境悪化の中、とくに北米市場で需要先である自動車、船舶、住宅建設業界が不振だったこと、数量減から稼働率が下がりコストの上昇を招いたこと、競争激化から販売価格が下落したことなどが収益を圧迫した」と説明、「選択と集中を徹底させ、事業構造改革を急ぎたい」と“改革推進”を強調した。