2004年01月23日
VECの武田会長が会見、経済環境の厳しさを強調
 「需給は均衡するも原料高で窮地に」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会(VEC)の武田正利会長(鐘淵化学工業社長)は23日の定例記者会見で、PVCの需給の現状と当面の見通しや同樹脂業界を取り巻く経済環境について見解を明らかにした。

 同会長はまず、昨年12月の塩ビ出荷量について「国内向けの約12万トンというのは、ほどほどのレベルといえる。壁紙や電線向け需要が上向いている点は明るい材料だ」と述べ、当面の見通しについては「今年1〜3月期の需要はもう少し増えると見ている。その結果、国内向けの年度出荷合計は、暦年計を若干上回って143万トン台になると判断している」と、今後も比較的堅調に推移するとの見方を示した。

 また「中国からのPVCの引き合いが急増し、日本側各社とも十分に対応できず、中小口のスポットの注文には応じられなくなっている。価格も順調に改善されつつある」と、輸出が“売り手市場”に変わりつつあることを強調、「今後、需給バランスはPVCメーカーの定修が続くこともあって一層タイトになるだろう」と語った。

 しかし、同樹脂業界を取り巻く経済環境については「ナフサが急騰しているためきわめて厳しい状況にある」とし、「現在のような高いナフサではどこも利益を上げられない。しかも、円高で輸出採算も足を引っ張られつつある。早急な対策ガ必要だ」と述べ、価格修正が不可避であることを示唆した。