2004年01月26日 |
三菱化学、化成品4製品の値上げを発表 |
原料の高騰に対処して採算割れを回避へ |
【カテゴリー】:市況 【関連企業・団体】:チッソ、三菱化学 |
三菱化学は26日、オキソアルコール、ブチルアルデヒド、スチレンモノマー、シクロヘキサノンの各製品の販売価格をいずれも2月1日出荷分から引き上げると発表した。 上げ幅は、オキソアルコールとブチルアルデヒドがキログラム当たり12円、SMとシクロヘキサノンが同15円。アップ率は、オキソアルコールとブチルアルデヒドが11〜12%、SMが15〜20%、シクロヘキサノンが16%前後となる。 このうちのオキソアルコールとブチルアルデヒドの値上げの対象となるのは、2エチルヘキサンノ−ル、ノルマルブタノール、イソブタノール、イソノニルアルコール、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド--の各製品。 オキソアルコールとブチルアルデヒドの値上げの理由については、今年第1・四半期のナフサ価格がキロリットル当たり2万8,000円超えとなる公算が濃厚となってきたため赤字幅が一段と広がる可能性が高くなってきた点を挙げている。 こうした中で同社では、国内向けに先駆けて、すでに中国を中心としたアジア市場向けの輸出価格をトン当たり70〜80ドル引き上げている。直近のアジア市況は、ノルマルブタノールがCFR620〜630ドル、2エチルヘキサノールが680ドルとなっている。需給バランスは、3がつから6月にかけて協和油化とチッソの両社が前後して定修を実施することもあって今後一層タイト化する見通しにある。 SMの値上げは、ナフサの高騰によってエチレンとベンゼンの価格が急上昇しつつあることに対処してのもの。ベンゼンの国内価格の指標である米国のコントラクトプライスは1月が昨年第4・四半期比18%アップしてガロン当たり175セントに上昇、さらに2月分は190セントまで上がると予想されている。 SMの場合も需給バランスは国際的に極めてタイトな状況にあり、このため最近のアジア市況は中国のCFR価格を例に取るとトン当たり880ドルまで上昇している。1ヵ月で100ドル上がったわけで、今後もなお強含みで推移する見通しにある。 シクロヘキサノンの値上げの目的も、SMと同じく原料ベンゼンの高騰による採算割れを回避することにある。同じく国内に加えて輸出価格についもアジア全体の需給のタイト化を支えに底上げを図っており、現在は昨年10月比同150ドル高の950〜1,000ドルまで改善している。 |